ハンドメイド作品を販売したいけれど、「何に注意すればいいの?」「売るときのルールは?」と悩んでいませんか?
初めての販売は、法律や規約、トラブル回避のポイントを知らないと不安ですよね。
この記事では、ハンドメイド販売で売る際に注意すべきポイントを初心者向けにわかりやすく解説します。違反を避け、スムーズに販売を進めるための重要な知識をまとめました。
この記事を読めば、ハンドメイド販売で売る際のリスクを減らし、トラブルなく安心して販売できる方法がわかります。大切なポイントを押さえて、楽しくハンドメイド販売を続けていきましょう!
ハンドメイド販売で売る時の注意すべき9つのポイント
1.著作権・商標権・肖像権に注意!他人のデザインはNG
ハンドメイド作品を販売する際、商標権や著作権に違反しないよう注意が必要です。知らずに違反すると、販売停止だけでなく、損害賠償を求められることもあります。
著作権・商標権・肖像権
- 他人のデザインやロゴを無断で使用しない。
- アニメキャラクターやブランドロゴを使った作品は販売NG。
よくある著作権・商標権違反の例
- キャラクターのイラストやロゴを使った作品を販売する
- ブランド名を無断で商品名に使用する
- 他人の作品を真似して販売する
こうした行為は法律違反となる可能性が高いため、必ずオリジナルのデザインで作品を作りましょう。
知的財産権について
「知的財産権」とは,知的な創作活動によって何かを創り出した人に対して付与される,「他人に無断で利用されない」といった権利
引用:知的財産権について|文化庁
本に掲載されている作品の模倣について
本や雑誌に掲載されている作品をそのまま真似して作成したハンドメイド作品は、著作権を侵害する可能性があります。
ハンドメイドの作り方を参考にする際、一部のレシピは「商用利用不可」と定められていることがありますが、許可されていないレシピを使って制作した作品を販売すると、トラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。
販売を目的として作る場合は、著作権フリーのハンドメイド本に掲載されている、商用利用が認められたレシピを活用するようにしましょう。
商用利用が禁止されている例
- キャラクターやブランドのロゴ・デザイン
- 有名なアニメや映画のキャラクターを使った作品
- ブランドのロゴを無断で使用したアクセサリーや雑貨
- 特定のデザインや柄
- 商標登録されているデザインやパターン
- 企業が所有する独自のイラストやアイコン
- 特定の素材やパーツ
- 商用利用が禁止されている生地や型紙
- 使用許可のない既製品のパーツをそのまま利用
商用利用NGのものを使わないための対策
- 購入時に利用規約を確認する
- 布やパーツを購入する際、商用利用可能かどうかをチェックする。
- 「個人利用のみ可」と書かれている場合は販売に使用しない。
- 公式サイトでガイドラインを調べる
- キャラクターやブランドの公式サイトには、商用利用に関するルールが記載されていることが多い。
- 不明な場合は、販売前に問い合わせるのが安全。
- オリジナルデザインを活用する
- 自分でデザインを作成することで、著作権や商標権の問題を回避できる。
- 商用利用可能なフリー素材を活用するのも一つの方法。
商用目的での使用が禁止されているものを誤って利用すると、販売停止や法的な問題に発展することがあります。安全にハンドメイド販売を続けるために、ルールを守りながらオリジナルの作品を制作しましょう。
2.薬機法・食品衛生法
専門的な審査や承認を受けていない手作りの化粧品は、安全性や効果が保証されていないため、販売には大きな制約があります。
化粧品や食品の販売は難しく、慎重に対応する必要があることを理解しておきましょう。
- 化粧品や石けん、食品を販売する場合は、法律に基づいた表示が必要。
- 食品の中には販売が禁止されているものもあるため、特に注意が必要なカテゴリーのひとつです。
- ハンドメイド作品の販売サイトでは、法律上「化粧品」に分類される基礎化粧品や香水、シャンプー、入浴剤、手作りの石けんなどの販売が禁止されている場合があります。
- 違反すると販売禁止になる可能性があります。
3.販売サイトの規約を守る!禁止事項を確認
各販売サイトには、独自のルールが設けられています。ルールを知らずに違反すると、アカウントが停止される可能性があります。
販売サイトの禁止事項例
- 偽ブランド品の販売
- 許可なく食品や化粧品を販売すること
- 不正に仕入れた商品を販売すること
販売サイトのルールは定期的に変更されることもあるため、必ず最新の規約を確認しましょう。
4.SNSでハンドメイド販売する時
最近では、InstagramやTwitter(X)、FacebookなどのSNSを活用してハンドメイド作品を販売する人が増えています。 SNSは手軽に販売を始められるメリットがありますが、法律やルールを守らなければトラブルにつながる可能性も最近あります。
下記の記事でくわしく解説しています。
5.特定商取引法を知っておく
ハンドメイド販売をする際には、法律を守ることが重要です。知らずに違反すると、販売停止や罰則の対象になることもあります。
- 特定商取引法
- 一定額以上の売上がある場合、販売者の情報を開示する必要があります。
- 返品・交換のルールを明確にすることも求められます。
法律を守らないと、トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。販売前にしっかり確認し、安全な取引を心がけましょう。
特定商取引法とは
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
引用:特定商取引法とは|特定商取引法ガイド
6.「ノークレーム・ノーリターン」の記載について
「ノークレーム・ノーリターン」とは、返品や交換を受け付けないことを示す表現です。
しかし、消費者保護の観点から、商品に欠陥があったり、誤った説明で購入された場合には、消費者契約法に基づき返品が認められます。
そのため、一方的に「ノークレーム・ノーリターン」とするのは適切ではありません。
販売サイトによっては、「ノークレーム・ノーリターン」の記載を禁止している場合があるため、事前に規約を確認しておくことが大切です。
また、配送中の破損や発送時のトラブルについては販売者として適切に対応する責任があるため、一方的に返品や交換を拒否する表記は避けるべきです。
ただし、ハンドメイド作品は一点ごとに個体差があるため、商品写真と実物に多少の違いが生じる可能性があることを、購入者に理解してもらうための注意書きを記載するのがおすすめです。
ハンドメイド販売する以上は責任を持ち、適切な対応を心がけましょう。
7.安全性の確保!事故を防ぐ工夫
ハンドメイド作品は、手作りならではの温かみがありますが、安全性を考慮しなければクレームや事故につながることがあります。特に、小さな子どもが使用するものや、金属アレルギーに関係するアクセサリーなどは注意が必要です。
安全性を確保するポイント
- 子ども向けの商品は誤飲の危険がないか確認する
- 小さなパーツを使う場合、しっかり接着されているかをチェック。
- 角が鋭いものはヤスリなどで丸く加工する。
- アレルギー対応を考慮する
- 金属アレルギー対応のパーツを使用する。
- 使用素材を明記し、購入者が選べるようにする。
- 強度テストを行う
- 販売前に何度か使用し、壊れやすくないか確認する。
- 布製品は洗濯して色落ちや縮みがないかテストする。
「安心して使える商品」を提供することが、信頼を得るための第一歩です。安全対策をしっかり行い、クレームを未然に防ぎましょう。
家庭用品品質表示法も知っておく
「家庭用品品質表示法」は、消費者が日常使用する家庭用品を対象に、商品の品質について事業者が表示すべき事項や表示方法を定めており、これにより消費者が商品の購入をする際に適切な情報提供を受けることができるように制定された法律です。
※施行令等で定めた家庭用品のみに表示の規制を求めております。
引用:家庭用品品質表示法とは|消費者庁
8.個人情報の管理に十分注意する
ハンドメイド作品を販売する際、購入者の住所や氏名は個人情報に該当します。販売サイトによっては購入者の住所が非公開となる場合もありますが、多くの場合、販売者が住所を記載して発送するため、慎重に取り扱うことが大切です。
また、自身のサイトで直接販売し、顧客情報を管理する場合は、セキュリティ対策を徹底し、情報漏えいがないよう細心の注意を払いましょう。
9.確定申告をする(必要な場合)
ハンドメイド作品を販売し、一定の収益が得られた場合は、確定申告が必要になります。年間の所得が20万円を超えると申告義務が発生します。
対象は収入全体ではなく、必要経費を差し引いた後の所得です。
SNSでハンドメイド販売する際の注意点
最近では、InstagramやTwitter(X)、FacebookなどのSNSを活用してハンドメイド作品を販売する人が増えています。 SNSは手軽に販売を始められるメリットがありますが、法律やルールを守らなければトラブルにつながる可能性も最近あります。
SNS販売でも法律を守ることが必須
ネット販売やSNSを利用した販売は、特定商取引法における「通信販売」に該当します。
重要なのは、「商品販売」だけでなく、「サービス提供」も通信販売の対象となる点です。
そのため、レッスンやワークショップの申し込みも「通信販売」に含まれ、行政の規制を受けることになります。
通信販売とは
事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。
引用:通信販売|特定商取引法ガイド
SNSを利用して販売する場合でも、一般のネットショップと同じように法律を守る必要があります。
- 特定商取引法
- 売上定額を超えた場合、事業者として「氏名」「住所」「連絡先」などを表示する義務があります。
- 「返品・交換のルール」を確実にする必要があります。
- 取引時のトラブルを気にするため、不快な表現を気にする。
- 商標権・著作権
- キャラクターやブランドのロゴ・デザインを無断で使用すると延期になります。
- 「○○風」「○○っぽい」などの表現も禁じられることがある。
販売前にしっかりと法律を考え、適切なルールのもとで運営することが重要です。
SNS販売で信頼を得るためのポイント
SNSは、多くの人に商品を知ってもらうメリットがありますが、信頼を得ることが売上につながります。
信頼を得るための工夫
- 実際の購入者の声(レビュー)を投稿する
- 制作過程をストーリーなどで見せ、信頼感を高める
- 定期的に投稿する
- フォロワーとのコミュニケーションを大切にする(コメント返信など)
SNSでの販売は、フォロワーとの関係性が重要です。信頼されるアカウント作りを意識しましょう。
SNS販売でもルールを守って安全に販売しよう
SNSでのハンドメイド販売は、手軽に始められる規約、法律や規約を守らないとトラブルにつながります。
SNS販売で守るべきこと
特定商取引法を守る(一定額以上の売上がある場合は情報開示が必要)
権利著作権や商標権を侵害しない(キャラクターやブランドロゴは使用不可)
価格や送料、購入方法を明確にする
SNSの利用規約を確認する
SNSは便利な販売ツールですが、正しく運用しなければトラブルの原因になります。安全に販売を続けるために、ルールを守りながら上手に活用していきましょう!
ハンドメイド販売で売る前に知るべき基本
ハンドメイド販売は誰でもできる?必要な準備
ハンドメイド作品を販売するには、事前にいくつかの準備が必要です。何も考えずに始めてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
販売前に準備すること
- 販売する場所を決める
- ネットショップ(メルカリ、minne、Creema など)
- イベントやフリーマーケット
- 知人への直接販売
- 必要なルールを知る
- 法律や販売サイトの規約を確認する
- 税金の申告が必要になることを理解する
- 販売用の材料や道具をそろえる
- 作品の品質を保つための資材を用意
- 梱包用の袋や箱、発送資材を準備
販売前にしっかりと準備することで、スムーズにスタートできます。特に法律やルールを理解しておくことが、トラブルを防ぐ鍵となります。
売るために知っておくべき販売ルール
ハンドメイド作品を販売する際には、いくつかのルールを守る必要があります。知らずに違反すると、販売停止やトラブルにつながることもあります。
知っておくべき販売ルール
- 販売サイトの利用規約を確認する
- 各サイトには、禁止されている商品や販売方法があります。
- ルールを破ると、アカウントが停止される可能性があります。
- 法律を守る
- 商標権や著作権を侵害しない(キャラクターのデザインを無断使用しない)
- 消費者保護法に違反しない(嘘の説明をしない)
- 税金のルールを知る
- 売上が一定額を超えたら確定申告が必要になります。
- 事業として行う場合は、開業届を出す必要があります。
ルールを守らないと、思わぬトラブルに巻き込まれることがあります。販売を始める前に、しっかりと確認しておきましょう。
オンラインショップと広告表示
BASEやSTORESなどのECショップサービス、またはminneやCreemaといったハンドメイドマーケットプレイスでは、特定商取引法に基づく表記のテンプレートが用意されています。これを自分の状況に合わせてカスタマイズすることで、必要な情報を適切に記載することが可能です。
また、BASEやSTORESでは「所在地・電話番号」の表示方法を選択できます。「個人の情報を表示」または「BASE/STORESの情報を代わりに掲載」のいずれかを選べるため、個人の所在地や電話番号を開示したくない場合は、BASEやSTORESの情報を記載することができます。
minne
ハンドメイド販売をするなら、資格を取得やスクールもおすすめ
ハンドメイド販売を成功させるためには、技術の向上や専門知識を身につけることが大切です。独学でもスキルを磨くことはできますが、資格取得やスクールを活用することで、より高品質な作品を作れるようになり、販売の幅も広がります。
資格を取得するメリット
- 技術力の証明になる
- 購入者に安心感を与え、信頼を得やすくなる。
- 作品のクオリティを高めることで、価格設定もしやすくなる。
- 販売の幅が広がる
- 一部の販売プラットフォームやイベントでは、特定の資格があると有利になることも。
- ワークショップやレッスンを開催する際の強みになる。
スクールで学ぶメリット
- 専門的な技術が習得できる
- 独学では学びにくいプロのテクニックを習得できる。
- 作品の仕上がりが向上し、販売の競争力が上がる。
- 販売ノウハウを学べる
- 作品作りだけでなく、マーケティングやブランディングについても学べるスクールがある。
- SNS活用やネットショップ運営のコツを知ることで、売上アップにつながる。
ハンドメイド販売で成功するためには、スキルアップが重要です。資格取得やスクールを活用して、より魅力的な作品を作り、自信を持って販売していきましょう!
ハンドメイド販売で売るなら知っておくべき注意点まとめ
ハンドメイド作品を販売する際には、法律やルール、トラブル回避のポイントをしっかり理解することが重要です。
ハンドメイド販売で売る際に注意すべきポイント
- 法律や規約を守る
- 販売サイトやSNSのルールを確認する
- 個人情報の取り扱いに注意する
- トラブル時の対応を事前に考えておく
ハンドメイド販売は、自由に作品を作りながら収益を得られる魅力的な活動です。しかし、法律やルールを守らずに販売すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
適切な知識を身につけ、安全に販売することで、安心してハンドメイドを楽しむことができます。この記事で紹介した注意点を意識しながら、ハンドメイド販売を成功させましょう!